日本ではPCR検査数が少ないと言われています。
理由としては、検査数を増やすことによる医療崩壊を避けるため、
そして臨床検査技師が足りないのも要因の一つかと思います。
今回はPCR検査数がなぜ日本では少ないのかについてや、
海外ではPCR検査はどんな運用をしているのかについて触れて行きたいと思います。
目次
日本のPCR検査数が少ない理由
見えないウイルスとの戦いのなか、非常に不安なのもよくわかります。
お医者さんに見てもらいたいのもすごいわかります。
ちょっとでも異常を感じたら検査したいのも、痛いほどわかります。
しかし日本の今の現状では、
なかなかPCR検査数は増えていかないのが現実です。
PCR検査数が少ない大きな理由として、医療崩壊と人材不足が問題なんです。
なぜPCR検査が医療崩壊につながるのか?
日本の感染症法という法律で、
PCR検査にて新型コロナウイルスの陽性が確認されたら入院しなくてはなりません。
そして、退院にもかなりの時間がかかります。
つまり、陽性患者が増えれば増えるほど、
ベットや医療従事者などの医療リソースをかなり消費してしまうのです。
症状別の退院基準について軽く触れます。
症状ありの陽性患者の場合
症状がある患者さんの退院基準は「症状が消失したこと」です。
つまり症状が消失しない限り退院が法律によってできないという事です。
具体的には以下の項目をクリアする必要があります。
1. 37.5℃以上の発熱が24時間ないこと
2. 咳や肺炎の症状が改善傾向であること
3. 検温を確認し、48時間後にPCR検査を行い陰性であること
4. PCR検査の検体を採取した12時間後に再度検体を採取してPCR検査を行い、陰性であること
これだけシビアに感染していないことを確認するのです。
再び感染源にしない為に一人あたりにかなりの時間が必要になります。
ワクチンもないことから急な容態の悪化や、治りの遅さも医療リソースを不足させる原因です。
症状無しの陽性患者の場合
症状がない陽性患者の場合でも入院しなければなりません。
しかも12.5日間も様子を見る必要があります。
1. 12.5日間の入院
2. PCR検査を行い陰性であること
3. PCR検査の検体を採取した12時間後に再度検体を採取してPCR検査を行い、陰性であること
ここが非常にネックな部分です。
無症状であっても入院をしなければならないという法律の縛り上、
PCR検査を増やしまくって陽性患者を特定したら、全て入院させなければならないのです。
病床も限りがあります。医療従事者も限りがあります。
そんな状況で陽性患者を病院に送りまくったら病院はパンクします。
パンク状態では医療従事者へも感染が広がってしまう可能性があります。
そうなったらもう医療崩壊です。
これがPCR検査数が少ない(増やせない)一つの要因かと思います。
上記内容で触れた退院基準についての法律は厚生労働省のページで公開されています。
エビデンスが知りたい方は以下URLから確認してみてください。
東京都はホテルへ軽症者や無症状者を移送
だから東京都はホテルを一棟まるごと借り上げて、
軽症者や無症状者を移送しているのです。
東京都は、軽症や症状がない人で、自宅での療養が難しく、同意を得られた場合には、入院させずに都が借り上げたホテルに直接、入ってもらう方向で調整していることが関係者への取材でわかりました。
こうすることによって、医療リソースを確保しつつ、
軽症者や無症状者によって病床が埋まることを防ぎ、医療崩壊を回避できるので、
PCR検査数を着実に伸ばせる要因になります。
この取り組みは東京都だけでなくすべての都道府県で実施する必要があるかと思います。
結局、無症状者や軽症者で病床が圧迫してしまうので。
ビジネスホテルはどの地域にもあります。
政治家の皆様と事業者の皆様、どうかご協力をお願いします。
臨床検査技師とは
PCR検査数が少ない事のもうひとつの要因は、
臨床検査技師の人材不足です。
あまり聞きなれない単語ですが非常に重要な人です。
臨床検査技師はPCR検査に関わる業務(採取~検査)を全て行う人なのです。
この新型コロナウイルスとの戦いで最前線で戦っている人たちです。
もちろん新型コロナウイルスだけを専門とはしておらず、
他の病気の検体検査や生理検査も行っています。
これはものすごく簡単に言うと、
血液の検査や心電図や脳波の検査を行ってデータお医者さんに提供しているってこと。
臨床検査技師の人数不足
PCR検査を行える人材は技術も経験も必要なので非常に少ないです。
ここがもうひとつのPCR検査数が少ない要因です。
技師は、国に20万人登録して、そのうち8、9万人が働いていますが、1割に当たる9000人ほどが遺伝子の検査ができます。しかし、すぐにできるわけではなく、本来は、時間をかけて熟練しなければいけません
引用;JCASTニュース,臨床検査技師にかかる「大きな負担」とは 安倍首相の謝意表明で注目集まる
国家資格であり、現状で稼働している臨床検査技師の方は約9万人、
その中で新型コロナウイルスのPCR検査が行える人材が約1万人しかいないのです。
更にその中でも、熟練している技術者は多くないのが実情みたいです。
PCR検査は時間が掛かる
臨床検査技師の人数が少ないこともPCR検査数を伸ばしにく要因ですが、
PCR検査自体もかなり多くの作業工程があり時間が掛かります。
これも1日あたりの検査数が少なくなってしまう要因ではあります。
以下に東京都か公開したPCR検査の手順の動画を置いておきます。
新型コロナの検体を扱う事から臨床検査技師も感染のリスクがあります。
非常にシビアな作業を長時間続けるのは、とても大変だと思います。
この点も「いいからPCR検査しろよ!!」って言う方は知っておいて欲しいなと思います。
海外のPCR検査数
海外ではPCR検査の実施状況はどんな感じになっているのか、
簡単に解説していきます。
世界のPCR検査実施状況
国別のPCR検査数の以下のグラフをご覧ください。
このデータは2020/4/16時点での新型コロナウイルスの合計検査数のデータになります。
読み方としては上のから、アメリカ、ドイツ、イタリア、韓国って感じです。
アメリカの検査数は既に300万件を超えています。
ドイツもおそらく200万件あたりまで検査数は伸びているかと思います。
イタリアは100万件、韓国は50万件といったように、各国はかなりのPCR検査数があります。
日本は4/16時点で約10万件のPCR検査数となっています。
こうして比べてみると日本の検査数は結構少なく見えてしまいますよね。
ドイツやイタリアの人口は日本より少ないのに。
ドイツが8000万人強、イタリアが6000万人くらいなので。
他の国ではどのように検査数を伸ばしているのか
韓国では話題になったドライブスルー方式でのPCR検査が検査数を伸ばす画期的な方法で、
世界のいろんな国で取り入れられています。
ドライブスルー検査の利点は患者同士が接触しないこと、
そしてスピーディーな検査が可能なことです。
以下の動画がイメージしやすくわかりやすいです。
実は日本でもドライブスルー検査を行っている県あります。
鳥取県では4/11日から一部の地域で実施を始めているとの事です。
そして4/15日には厚生労働省もドライブスルー方式でのPCR検査を認可するとのお達しも来ている。
今後日本でもドライブスルー方式での検査体制が整っていくかと思います。
PCR検査数少ない まとめ
いま日本ではPCR検査をすんなり受けれる体制ではありません。
未知のウイルスで非常に不安なのは痛いほどわかりますが、
法律のしがらみや人材不足など、
PCR検査数を増やしたくても増やしにく実情があることは知っておいてください。
たぶん臨床検査技師の方は一杯一杯の状況だと推察できます。
だって自分が感染するかもしれないし、国からの圧力も、国民からの圧力も一手に受けてるのですから。
ほんとありがとうございます。
とにかく新型コロナウイルスに感染しないことが大事なので、
今は家に篭るようにお願い致します。ステイホームです。
新型コロナウイルスに関しての難しい用語が多くてわかんない!って方向けに、
以下に記事で症状・予防方法・治療・現在の状況などについてわかりやすくまとめてます。
この記事を見ればコロナについての情報が一気にわかるようになります。
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以上、防災をやったみたのこーちゃんでした。
ばいばいばーい