先日に起きてしまった、京アニの火災事件。
ガソリンの爆発的な引火による爆燃現象が起きたことが、
被害を拡大させたと言われています。
今回は爆燃現象とはなんなのか、
ガソリンによる火災はどのような危険性があるのかについて触れていきます。
目次
爆燃現象とは
今回の事件で特に驚いた事柄が、
ガソリンによる爆発的な引火ではないでしょうか?
ガソリンは車を使う人なら身近な物だよね。
ガソリンスタンドで自分で給油できたりもするし。
でもガソリンってかなり危険な物って事は知ってますか?
この理由は揮発して一瞬で空気中に蔓延するからなのです。
ガソリンについて
ガソリンがなぜ空気中に蔓延するのかは、
ガソリンが常温で揮発しやすいという性質によるものです。
常温で揮発性が高いため、日本の法令などでは揮発油(きはつゆ)と呼ばれる場合がある。
引用:Wikipedia,ガソリン
揮発したガソリンがどの程度危険か、揮発したガソリンがどうのように拡散するか、
下記の実験動画をご覧いただければわかると思います。
こんな感じで揮発したガソリンは空気より重いのです。
そしてポイントなのはガソリンは気体の状態で燃えるという点です。
つまり、揮発したガソリンは周囲に散らばり、
引火した場合に気化しているガソリンに一気に燃え広がるのです。
爆燃現象
ガソリンの性質についてわかった所で、
今回のキモとなる爆燃現象について解説していきます。
まずは今回の京アニで起きた事例を見てみましょう。
下記の映像が模型を使っていてものすごく分かりやすいです。
映像であったようにガソリンが引火することによって、
爆発的な現象が起きています。
この現象により窓ガラスが割れ室内に大量に空気が流入し、
一気に燃え上がる現象が爆燃現象と言われています。
室内の燃焼による温度上昇の中で開口部の開放によって、こうした可燃性ガスに急激に空気の供給が行われ、爆発的な燃焼が起こる現象です。特に建物火災の火盛期には、室内の酸素濃度が低下して不完全燃焼状態になるので、開口部などから空気が流入すると爆燃現象が起こり易い状況になります。((バックドラフト現象ともいわれています。)
引用:日本ウレタン協会,火災における現象
難燃現象は別名バックドラフト現象とも言われていて、
消防士の間でもかなり危険な現象として扱われている。
突入する際にドアを開けたら爆発みたいなこともあるからとても危険とされています。
一般人によるガソリンの購入
ガソリンは専用の携行容器を持ってくれば、
ガソリンスタンドで誰でも60Lまで購入することは可能です。
ガソリンスタンドの従業員に給油してもらう事が条件ですが、
特に免許証やら使用目的は聞かない、という確認しろっていう法律上の義務はないみたい。
今回の事件を受けて、販売の規制を強化することが検討されています。
40L以上200L未満であるガソリンを消防法令に適した容器で保管する場合、
消防機関に届出を出さなければいけません。
出さない場合は火災予防条例違反となります。
東京都の火災予防条例では、違反すると30万円の罰則となります。
おそらく今回の犯人は買ってからすぐに犯行に及んだかと思うので、
届け出とか出しているはずがないとおもいますが。
爆燃現象とフラッシュオーバーの違い
爆燃現象とよく間違われる現象がフラッシュオーバーと言われる現象です。
フラッシュオーバー現象も一気に燃え広がる現象でありますが、
これは可燃性ガスが天井に溜まり、
引火することによって一気に全体に燃え広がるといった事が原因です。
下の映像が札幌市消防局がバックドラフトとフラッシュオーバーの実験を行った動画になります。
フラッシュオーバーが発生したとき天井部が一気に燃え広がったよね。
対して爆燃現象(バックドラフト現象)は空気が流入したことによる、爆発現象が起きているね。
これが二つの現象の違いです。
どちらの現象も火災時に起こりうる可能性がある物なので、知っておく必要があります。
実際に、日本ではフラッシュオーバーが起きた大規模な火災は事例としてあります。
1982年 ホテルニュージャパン火災
これはフラッシュオーバーを引き起こす可燃性ガスを発生させる、
燃えやすいものが多くあったことと、ガスが充満しやすい環境だったこと(設備の施工不良)。
これらが原因で大規模な火災が起きています。
爆燃現象のまとめ
爆燃現象は非常に危険な現象です。
一気に燃え広がるのですから。
だから日頃から避難訓練は怠らないようにしてください。
何処で火災が起きても逃げるルートを想像できるように、
避難経路は頭に叩き込んで下さい。これが火災時の生きるか死ぬかの分かれ道です。
また、火災により亡くなられた京アニ関係者の方々、
ご冥福をお祈り致します。
僕は京アニのアニメ好きです。素敵な作品ありがとう。。。