ダウンバーストは飛行機の天敵?積乱雲による突風の恐怖
ダウンバーストと飛行機

 

ダウンバーストという積乱雲による風害をご存知でしょうか?

この風害により飛行機が恐ろしい事故に巻き込まれる可能性があります。

 

ダウンバーストによる事故
急激な風速や風向きの変化による飛行機の墜落事故

 

この事故は実際に世界各国で起きています。

日本でも風向や風速の急変(ウィンドシアー)による飛行機の着陸失敗事故が起きています。

 

今回はダウンバーストの原因や、

ダウンバーストによる飛行機の事故について触れていきたいと思います。

 

目次

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ダウンバーストとは

ダウンバーストとは

ダウンバーストとは

 

読者様
そもそもダウンバーストってなんやねん。遊戯王カードかよ。

 

そう思われる方が、大半かと思います。(遊戯王は別として

 

簡単にダウンバーストについて説明すると、

ダウンバーストとは積乱雲から発生する災害を引き起こすほどの強さをもつ下降気流のことです。

この下降気流の強さは台風並みです。

ダウンバースト

引用:福岡管区気象台ホームページ,ダウンバーストのはなし

ダウンバーストは上の画像のような感じです。

積乱雲が真上から吹き降ろすみたいなイメージです。

吹き降ろされた突風は地面に衝突し破壊的な気流を放射状に撒き散らします。

この下降気流が様々な災害を引き起こします。

 

そしてダウンバーストは、

下降気流が地面に衝突したあとの広がりによって呼び名が変わります。

マイクロバースト

下降気流の水平方向の広がりが局地的な場合、

この広がりが約4km未満のダウンバーストはマイクロバーストと言います。

マクロバースト

下降気流の水平方向への広がりが広範囲の場合、

この広がりが4km以上の広範囲のダウンバーストをマクロバーストと言います。

どっちが強いの?
マイクロバーストの方がマクロバーストより風速が速く強いとされています。

ダウンバーストの発見

豆知識ですが、ダウンバーストを発見したのは日本の気象学者の藤田哲也さんなんです

この人は後に竜巻の強さの国際基準(藤田スケール)を制定した偉人なのです。

ミスタートルネードや竜巻博士などのあだ名もありとても優れた学者。

同じ日本人として誇らしいです。

 

ダウンバーストの映像

ここまで読んでくれた方はダウンバーストが実際どんなもんかを見てみたいかと思います。

下の映像は日本で撮影されたダウンバーストの発生の瞬間の映像になります。

※風による音量注意です

凄まじい突風だよね。立っているのは困難なくらいの突風です。

ここにいたら突風で息できなさそう。。。

 

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ダウンバーストの原因

ダウンバーストの原因

ダウンバーストの原因

 

では、ダウンバーストはなぜ起こるのか。

その原因について触れいていきます。

 

原因1.大量の水滴の落下によるもの

積乱雲の中では、大量の水滴が上から下へ落下していきます。

水滴が落下することにより、水滴の周りの空気も一緒に下へ落下してきます。

それに伴って、空気が水滴により下へ押し出されていくことにより、

下降気流が生まれるといった事が原因です。

 

イメージはところてんを天付きを使って作るときの上から下へ押し出す感じです。(雑すぎ

積乱雲中でも同じように大量の水滴によって、空気が上から下へ押し出さているのです。

 

原因2.水滴による空気の熱の変化によるもの

積乱雲の中は上になればなるほど寒くなります。

もともと積乱雲は上昇気流によって作られています。

水滴は上昇気流によって寒い層へ上へ上へと登っていき氷に変化します。

氷はやがて重くなり、暖かい層がある下へ落下していきその途中で再び水滴へと変化します。

この氷が水滴へ変化する際に、融解熱という空気中の熱を奪う現象が起きます。

つまり周辺の空気は融解熱によって冷やされると言うことです。

 

また、この氷から水滴へと変化したものは周囲の水滴より冷たくなっており、

周辺の空気を冷やす現象も起きます。

ここでのポイントは冷たい空気は下へと落ちる性質があります。

 

つまりこれらの現象により、

空気は冷やされ下降気流が発生するといったことがダウンバーストの発生原因です。

 

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ダウンバーストによる飛行機の事故

ダウンバースト 飛行機

ダウンバースト 飛行機

 

ダウンバーストによる災害の一つとして、

下降気流による飛行機の墜落事故があります。

これらは主に飛行機の離着陸時に発生します。

上の画像のように、着陸ポイントにてダウンバーストが発生していた場合、

飛行機は向かい風に向かって進行、下降気流を抜けた直後に追い風となる。

このように急激な風向きの変化や風速の変化をウインドシアーといい、

飛行機の墜落につながる原因となっております。

 

主に風速の変化による飛行機の失速が墜落につながるといったところです。

例えば着陸進入時に滑走路手前でダウンバーストが発生していたとすると、最初は強い向かい風が吹くために機体が浮き上がる。これに対してエンジン出力を絞るなどしてパイロットは着陸進入を続けるが、ダウンバースト(マイクロバースト)中心付近を通過すると一挙に機体が地面に向かって押された後で、今度は機体に対して強烈な追い風が吹く。このためエンジン出力を増して対気速度を上げる必要に迫られるが、民間機用のジェットエンジンレシプロエンジンと違いパイロットの操作から出力上昇まで数秒のタイムラグがある。従って着陸時は元々失速速度までの余裕が少ないために、あっという間に失速に陥ってしまい低高度のため回復させる余裕もなく墜落してしまうことがある。

引用:Wikipedia,ダウンバースト

 

実際にダウンバーストによる飛行機の墜落事故の一例を下記に記載します。

イースタン航空66便着陸失敗事故(1975/06/24)

これはアメリカ合衆国にて発生したダウンバーストによる事故です。

着陸時にマイクロバーストにより墜落したと言われています。

激しい雨風の中で視界は効かず、

下降気流により飛行機が押し下げられていることに気付かなかった事が原因。

この事故をきっかけにウインドシアが認知されるようになったと言われています。

 

パンアメリカン航空759便墜落事故(1982/07/09)

こちらもアメリカのルイジアナ州で発生したダウンバーストによる飛行機墜落事故です。

離陸時にマイクロバーストの影響で墜落したと言われています。

急激な風向きの変化(ウインドシア)とかなり強い下降気流が原因とされています。

 

ドップラーレーダーによる予測

気象ドップラーレーダー

気象ドップラーレーダー

 

ここまでダウンバーストによる事故について触れてきました。

そして一つの疑問が生まれていると思います。

読者様
こんな恐ろしいダウンバーストはどうやって回避すればいいの?

 

このダウンバーストによる事故をなくすために、

ドップラーレーダーというものを用いてダウンバーストの発生を観測し予測しています。

ドップラー・レーダーは、内部の降水粒子の移動速度を観測することで、雲内部の風の挙動を知ることができるため、気象観測に多く用いられる。

引用:Wikipedia,ドップラーレーダー

現在は数々の飛行機墜落事故によりドップラーレーダーの導入が進んでおります。

僕たちが安心して飛行機に乗れるのも、こういった背景があることを知っておいてください。

 

ちなみに竜巻注意情報もドップラーレーダーによる積乱雲の観測と予測により発令されています。

 

ダウンバーストのまとめ

積乱雲は数々の災害を引き起こします。

ダウンバーストは今でこそ回避する方法が生まれましたが、

危険な災害であることは変わりません。

上の映像で見てもらった通り、歩いている最中に出くわしたらかなり危険です。

日頃から気象状況には注意を払ってください。

 

ばいばいばーい

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